スペインのクラブの主は?
かつてReal MadridのDirectivo General Deportivo(スポーツ総合部長)の
ホルへ・バルダーノはこう語った。
「我々Real Madridは78,000人(2002年当時のソシオの数)の主人に仕えている。」
そしてFCバルセロナのホームページにはこう書かれている。
「FCバルセロナには、オーナー企業も、経営者も存在しません。ソシオと呼ばれる人たちによって運営されるスポーツクラブです。 」
スペインで最も巨大なこの2チームが、共にSocioと呼ばれる会員を主としている。
この点は企業のクラブに出発点を持つ日本のクラブとは大きく違う。
チームは地元のもの
スペインのクラブのほとんどは19世紀後半から20世紀前半にかけて設立された。
そしてクラブを創設したのはフットボールに魅了された一般市民たちだった。
彼らは気のあう仲間同士で自分たちのクラブを作り、自分たちも会員となった。
当初からその会員達が選挙を行い、会長を決めていた。
日本のJリーグは開始当初から各クラブの地域密着を謳い、
多くのクラブが地元のファンを増やそうと様々な取り組みをした。
しかし、スペインではクラブは最初から地元住民のものだったといって良い。
この国のフットボールを語る際にクラブと地域を切り離して語ることは出来ない。

最も熱い応援をする席にはSocioが集まる
「クラブは株式会社化するまで、Socioのものだった」
これはあるスペイン人学者のサッカーに関する著書にある一説だ。
規模が拡大してしまった以上、もはや完全にSocioのものと言い続けるのは難しい。
しかしSocioがいる限り、
大富豪が有名チームを買収するという近年よくある話はスペインからは出てこないだろう。
Socioの特典
現在、Socioのあり方はクラブによって違う。
もともと、多くのクラブにおいてSocioとは年間観戦パスの所持者である。
FCバルセロナやレアルマドリッドのようにSocioの数がスタジアムの収容人数を大幅に超えているクラブはもちろん違い、チケット割引などの特典になる。
他にもスタジアム見学ツアーの無料サービスや独自のテレビチャンネルの視聴権など様々なサービスが得られる。
Los Socios tienen la voz(会員は“声”を持つ)
これは各クラブのSocioのページに良く書かれている表現だ。
クラブの会長選挙の投票権があるのは規模にかかわらず同じ。
クラブの方針決定に自分たちも関わりを持つことが出来るというのは、
そのクラブ愛に大きく影響するだろう。
JリーグでもSocioという会員制度を持っているチームもたくさんある。
しかし各クラブが企業スポーツから始まり、株式会社である以上、
彼らがクラブの方針に影響を与えるVoz(声)を持っているとは思えない。
よく聞かれる“サッカー文化の違い”の一部はこういった点からも見ることができる。





