バルにもサッカー文化?
スペインで街を歩いているとクラブのエンブレムが付いているBarやレストランを良く見かける。
週末は人でいっぱい、中はスタジアムさながらの雰囲気で盛り上がっている。
日本のスポーツバーと同じようなものかと思うが中に入ると何かが違う。
ベティスのPeña
これはPeñaといういわゆるファンクラブのようなものが経営しているBar。
クラブに申請し、Peñaとして承認されれば試合の放映権や様々な特典を受けることができる。
クラブのSocio(ソシオ)が作ることも多いが、地元を離れた人達が、
移住した都市で自分達のクラブを応援するために創設するというようなこともある。
ここに同じクラブに愛を捧げる多くの人が集まるのだ。
Peñaの経営
Peñaは一般的にバル、もしくはレストランを持っておりそこが活動の場となる。
Peñaの創設はBarを建てるための資金集めから始まる。
自分の周りにいる友人やSocio(クラブの会員)仲間を誘って資金を出し合い、
Barを建てるというのが多いようだ。
おもな活動は週末に集まり自分のクラブを応援すること。
メンバーは入会金、月会費を払わなければならない。
まあ、Barで飲食の割引サービスがあるし、
同じクラブを応援する仲間と飲みながら試合を見れるというのは、
多くのスペイン人にとってこの上ない楽しみと成り得る。
また、ほとんどのクラブが普通の個人用のスタジアムの年間パスのほかに団体用の年間シート席を用意している。
これはまず各Peñaに情報が与えられ、格安で購入することができる。
団体シートをどう使うかは自由なので、20人の団体パスを買えば毎回違うメンバーが行くことも十分に可能なのである。
Peñaによってはホーム試合のたびに観戦者を募集しチケット代をもらえるし、行く人にとっても格安の値段になるため、双方の利益になる仕組みが出来ているわけだ。
クラブは定期的に各Peñaの理事を集め、会議を開く。
その場でクラブ側が提供するサービス、要望、新しくできたPeñaの紹介、
理事間の連絡や挨拶などPeña同士のつながり、サポートをクラブが行う。
Peña統括する部署を持つクラブもあるぐらいなので非常に大切にしていることが伺える。
多様な活動
活動内容は単にバルの経営や、チームへの応援だけにとどまらない。
地域文化的な活動が禁じられていたフランコ時代には、
Peñaでも地方言語を話したり自分たちの地方のFiestaを祝ったりしていたらしい。
例えば、上の写真のものはPeña Recreativaなので
メンバーのビリヤード大会などレクリエーションがおもな活動だ。
しかし、同時に社会福祉活動も行っている。
選手たちの写真と一緒に一人の子供の写真があったので誰なのか尋ねてみた。
選手達の写真とともに並ぶ一人の子どもの写真(中央)
「Peñaの全員がお金を出し合って援助しているラテンアメリカの子供だよ。
クラブもこういった活動をしていると特典をくれたりするんだ。
われわれもクラブの名前を背負って活動しているからね」
とこのPeñaの理事は微笑みながら答えてくれた。
人々の心をつなぐ存在
Peñaはスペイン内においてはPueblo単位で、さらに世界中どこの国にも存在しているので、その数が数千単位に上るクラブもある。
フランコ時代、多く人々が他国に亡命した。
彼らは自分たちのフットボールクラブを、そして自分のPuebloを忘れることができず、Peñaを設立した。
祖国から送られてくる手紙に書いてあるチームの試合結果に一喜一憂し、
自分たちのPatria(祖国)に対する愛情は持ち続けた。
そして、戦場もその例外ではない。
遠く離れた戦場で同じチームを愛する仲間が集まり、
彼らは集まってサッカーの話題で疲れた心を癒した。
ボスニアに派遣されたの兵士達のPeña
このようにフットボールクラブへの愛によってつながる人々が数え切れないほど存在する。
スペインに行き、フットボールクラブの旗を持つバルがあれば是非覗いてみて欲しい。
そこではスペインフットボール、
そしてそれによってつながった人々の情熱を感じられるかことだろう。





